情報共有に優れたSOAP形式について

多くの医療機関で看護記録を作成するときに用いられるSOAP形式は、患者の問題に焦点を当てた分析ができます。看護記録をSOAP形式で作成するときには、患者に対する看護行為の目的や実施したケアの記録などが、誰にでも理解できるように記録されるからです。そのため、看護師だけでなく、医師や介護現場のリハビリスタッフなどとの情報共有でも重宝されます。

SOAP形式は、4つの項目に沿って作成を行うのが特徴です。Sが意味する主観的情報では、患者や家族が話した情報を記載します。たとえば、患者自身が自覚している症状や心配ごとなどがSに該当します。次にOには、客観的情報として、医療関係者が患者を診察したり、検査したりして取得した情報を書きます。そして、SとOの情報を分析したうえで、今後どんな問題が患者に起こりうるのかといったことを、Aのアセスメント項目に記します。さらに、Pには今後の看護計画について書かなければならないので、SOAで得た全ての情報に基づいた治療計画や生活指導計画などを記載します。

そのため、SOAP形式での記入は、4項目の内容に統一性を持たせることがポイントです。また、SとOにおいて正確な情報収集を行うことが、適切なアセスメントや看護計画に繋がるため、書き漏らしがないように気をつけなければなりません。しかし、SOAP形式できちんと看護記録が残せるようになると、周囲のスタッフからも信頼されるようになるでしょう。